一言で言えば、情報量がすごい。
『君の名は。』の新ビジュアルが解禁となりました。都内某所の階段で瀧と三葉がすれ違うこのビジュアルは、「出会うはずのない、二人の出逢い」という物語のテーマに合わせ、特別に描きおろされたオリジナルイメージビジュアルです! #君の名は。 pic.twitter.com/lNW0HHIkul
— 映画『君の名は。』 (@kiminona_movie) 2016年6月23日
3ヶ月前、Aから売切れ続出と聞いて、見てもいないのにとりあえず買ったプログラムをようやく開封できる。別に映画館がカップルで7割くらい埋まっていようが、特等席の一番後ろど真ん中の両脇がカップルだろうが、ヨージのコートで身を包んだ「ザ・喪女」って格好だろうが気にしない。14年ぶりの降雪が報じられた11月の夜、私は見る見る詐欺の後ろめたさからようやく解放され、『君の名は。』を見たっていう資格を手に入れた。
まず忘れないうちにメモしておきたい、鑑賞中に頭をよぎったこと。
口かみ酒を見て思い出したのは『もやしもん』だし、現在の瀧と3年前の三葉が入れ替わってるってわかった時に思い出したのは宮部みゆきの『蒲生邸事件』とか『永遠のゼロ』だし、お互いのルール決めたりするのは『思春期ビターチェンジ』だし、彗星が落ちた糸守のシーンを見て思い出したのは『東のエデン』だったし、「もう一度君に会いに行く」みたいなのは完全に『時をかける少女』だし(作中に「未来で待ってる」ってセリフがあっても全然違和感なかったよね)、誰かれ時に再開した二人は『インターステラー』の本棚越しのマーフィーとパパだった。大丈夫、覚えてる。
それから、畳に置かれた組紐、紅葉、新宿の街、全部本物(写真?)かと思うほど綺麗に、正確に描写されてた。トレースとかを駆使して、写真をその場に持っていけばピタリと重なる、とか言われてるけど、これからのアニメってそういうの目指すの?って疑問が頭から離れない。それが新海作品なのかもしれないけど、違和感を感じずにはいられなかった。正確さというか、もはや正しさでは?
とか言いながら、23年以上住んで嫌いになりつつある東京の街がめちゃくちゃ綺麗に描かれてて(瀧のアパートの玄関を出たところから見える新宿と御苑とか)、私はこんな綺麗な街に暮らしているのかと感動した。確かに朝日を反射する高層ビルは綺麗だ。得した気分になる。吉祥寺でオールした帰りに震えながら始発をホームで待って、中央線で向かう新宿の街は眩しいほど美しいことを、私は知っている。
そして、RADWIMPSのPV問題。言うほどか?とは思ったけど、瀧とか三葉の気持ちとシンクロしそうってときに洋次郎の声が聞こえて萎えたっていうのはあった。ただ全体的に見たら、後々歌詞を見て「ああ、こんなこと言ってたんだ」「ここがリンクしてたのか」とか気が付いたくらいで、それは曲よりも映画に集中していたって証拠だと思う。「なんでもないや」の「嬉しくて泣くのは 悲しくて笑うのは 君の心が 君を追い越したんだよ」っていうのは、すごくよかったな。
あーあと最後に。三葉が入った時の瀧くんの声が気持ち悪い(褒)。神木くんすげーな。普通だったら文脈的に「仕草も相まって」とか書くんだろうけど、仕草以上に声から女子っぽさを感じた。
ハイ、映画館で観るには今更すぎた『君の名は。』の感想おわり!
「あの人は今何してるだろ」とか「日頃の感謝を」とか、10、20代はあまり持たない感想(少なくとも私は全く思わなかった)を父母世代を持ってるの面白かったな。それよりも私は「あ、これは『インターステラー』だ、『東のエデンだ』」とかいろいろ考えながら、情報量すげーなとか思ってた。 https://t.co/pkPprIxDNs
— さるみ。 (@srwtri_) November 28, 2016